中国仕事

プロテインバーの虫混入 日本食品メーカー主導の輸入品は心配ご無用?

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 プロテインバーの生虫混入の件で、MYPROTEINというメーカーさんが対応やっちまって、某貿易会社さんも藪蛇しちゃってますね。😱😱😱
 一応元食品会社勤務&現役商社勤務のベテランの三下雑魚リーマンの視点から見ますと、日本の輸入食品に誤解を生ませる様な行動、言動はあまり感心できるものでないと思います。
全く、、、私達真面目に商社やっている人々からご飯の種を奪わないで下さい。

 ただただ自分の保身だけのために偉そうに書かせてもらいますが、まず個人の見解として、日本の食品はキチガイかつ慎重過ぎる管理のおかげて安全だと思います。
商社かじったことある人なら、誰でもわかる様なことですが、ちょっとツッコミ入れさせてもらいます。

○○基準とか△△規格適合って、、、

 私の一時とある日本の食品会社の原料成分の輸入の案件を担当したことがあるのですが、少なくとも私の知る限り、日本の食品専門輸入業者や食品メーカーは、海外の生産メーカーが「○○基準とか△△規格適合も持っているから安全だ」とは考えることはなかったです。
そんなこと誇らしげに言っても、日本の食品会社は、

あ、、、そうなんだ。。。。(無関心)😒😒 程度です。


 基準とか規格とか、ISO(これらの機構関係者の方すみませんが)などは、ただの証明材料の一つです。特にISO9001などは記録とその遡及性を重視するものであり、記録以前のそもそもの工程が間違っていたら、意味をなしません。今回のプロテインバーの「お知らせ」の内容を見て少々滑稽に感じました。

日本の食品メーカーは輸入品や輸入原料はどうやって決めてる?

 それはキチガイなほどの現場確認と管理体制の徹底です。日本企業が食品関連製品を日本に輸入するまでに検討を繰り返します。感覚的に検討開始から採用までの所要時間は最速でも1年、基本2年以上です。
ざっくりイメージとしてですが、こんな感じだったと思います。

サンプル評価検討→生産環境やコスト検討→現地視察→現地視察で持ち帰ったサンプルや生産データを再分析&検討→採用検討監査実行→持ち帰った材料で最終検討→採用決定

そして、さらにここから包装など細かいすり合わせ作業があります。

日本の食品メーカーの厳格な監査ってどんなの?

 それは、価格とコスト以外はほぼ全ての生産情報の公開です。

「ノウハウ」何ぞ(ほぼ)認めません。

 私は食品”成分”の中国メーカーへの監査しか経験したことがありませんが、原材料、生産工程(含む異物)、あらゆる具体的な温度や時間、圧力等などの生産条件、生産ラインの故障のリスク、リカバリー設備の予備の指導、使用水採取、各工程での仕掛け品のサンプル採取などなど、本当にこれらの情報を持ち帰って生産工場完コピできるのではないかというくらい詳細に調べ尽くします。

また、所々でトラブル想定の質問も出しで回答内容のみでなく、回答までの時間まで測る事もあります。(ISO9001でも資料検索時間要件はありますが)


 そして、最後はそれらを基にスコアもつけて必ず改善項目を具体的に指導、改善完了も期限をつけて要求します。場合によっては2次監査もありです。

 また、実際のコンテナ詰めの際までもコンテナの水漏れ穴あきのチェックの仕方、コンテナ内の匂いや汚れのチェックの仕方まで指導します。

 中国メーカーはそれらをクリアしていき、○○規格では手に入らないノウハウを習得していきます。
日本メーカーも見てもこれだけの仕事をやり遂げるのは本当に大変ですので、採用監査をクリアしたメーカーを大切にし、中国側もそれに答える事により、長期の契約と信頼を重ねていくこととなります。

 上記は中国側から見てもメリットをもたらします。例えば他社が

「うちも同じもん作ってるんっすよ。安いっすよ。オネガシャ〜す。」

と売り込みが来ても多くの日本の食品メーカーは相手にしない


安定顧客というわけです。

 逆に中国国内は同じものなら、安けりゃさっさと切り替えるので、長期安定顧客で数が読めるのは貴重な存在となります。

まとめますと、

 私の経験の限りでは、日本の有名どころのメーカーさんの名が入っている輸入食品は安心て食べても大丈夫だと思います。

 余談ですが、昨今よくTVで特集されている袋単位の量が多いスーパーですが、中国の山東省内陸部の日本食などとは無縁な地区に工場を持っておりますが、たまたま5年程前に訪問する機会があり、日本人の工場長が出てきて驚きました。聞くに20数年ずっとそこで生産品質管理責任を担っているとのことで、帰国も年1回帰るかどうかの様です。
 日本の輸入冷凍食品や漬物などなどの安全は、誰かの地道な努力によって守られていると実感した瞬間でした。

おまけ 2012年頃 上海食品は?食材選びは自己責任(だった?)。

 文字通り、当たるも八卦、当たらぬも八卦、その辺、日本は安心です。
 昨今コロナの影響もあり、しばらく中国に行っておらず、かつ帰国してかなりの年月が経ってしまっていますので、タイムリーな情報をお伝えできなくて申し訳ございませんが、少なくとも上海で生活していた、2012年前後の時期の現地採用レベルの[下士]である私の様な日本人にとっては食品は、まだ自己責任で選別するものでした。
 生鮮市場で山積みの野菜や、肉の塊の中から、自分の目で[いけそう]な個体や肉の部位を秤売りで購入します。
そして肉は調理前に水洗い、野菜は残留農薬の懸念から大きめな”たらい”に水を張って、その中で水洗い、場合によっては10〜30分漬け込んでから洗ってから調理しました。
大都市上海でも日本人の場合はですが、この作業を逃れることができるのは、虹橋地区に在住する日本人の「上士」たる駐在員家族だけだったと思います。(その代わり、食材費用は日本以上になりますが。)
その頃、もしかしたら、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、「地溝油」や「痩肉精」、「可塑剤入り粉ミルク」などが発見され始め、食品の安全に厳しくなってきた頃でもありました。
 ですので、もしかしたら、今の中国ではない光景かも知れませんが、わずか5年前はそんな時代でした。

 その頃は日本へ一時帰国した際に行ったスーパーで妙な安心感があったのを今でもよく覚えています。

本日は以上になります。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!
 

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FUJIHO-YI

こんにちわ!FUJHOと申します。 埼玉在住。 最近は柴犬(らぶる)をお迎えするも、、まさかの骨折。 飼育と費用を勉強するして都度記事にしています。 仮想通貨(DiFi)、黒柴、セキセイインコ、生活トラブルなどのブログ書いています。 ご一読頂ければ幸いです。 残念ながら、コロナで国外は行けそうにないですが、 中国にも縁があり2006年5月に〜2012年10月まで中国上海で生活していました。 今も中国と関わる仕事に携わっています。

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