中国どローカル企業で働く事は楽しさはありますが、将来へ漠然とした不安というのが頭から離れない毎日になります。
理由は以下の通りです。
<壹> 社会保障ほぼゼロ。・・・将来への漠然とした不安
<弐> 給与賞与は不安定・・・遠慮無用のガチ交渉
<参> 舎弟化にならねば将来なし。・・・昇給は自由と引き換え
上記内容から長く働くとその後に影響します。
<壹> 現地採用は社会保障ほぼゼロ
福利厚生は長く働くとなると現地採用にとって切実な問題になります。現地採用というのは日本でいう、アルバイト待遇に似た感じです。20年今現在は中国の健康保険の加入が義務付けられているようですが、当時はナシでした。年金?現採外国人にはありません。
中国の健康保険は支払い方法は、被雇用者税抜き前給与の9.5%会社負担、自己負担同2%の金額が差し引かれます。使い方は(現地戸籍の場合)簡単に言いますと、プリペイド式のような形で毎年1回各々収入に合わせた金額が保険カードに補填され、その範囲では医療費が掛からず、その後使い切った後に日本の保険制度のように病院のレベル(1級〜3級)によって最大医療費の5割負担になるような制度です。制度自体は非常に有意義なものですが、中国の大病院はとにかく混みます。これ大きなデメリットです。
日本国民でしたら国民年金は任意加入ですので支払わないこともできますが、老後は日本で過ごしたいという方は任意加入しておいた方が良いでしょう。任意加入支払い金額は16,000円/月前後、国民健康保険は前年の収入によって決まりますが、翌年度から日本国内で収入がなければ、年間で30,000円程度です。振り込みや近親者の代理納付ができます。
健康保険は海外療養費制度を使えますので加入した方がいいですが、国民年金の任意加入は自己責任で判断しましょう。健康保険の海外療養費制度は私も上海在住中に日本人向け病院などで何度も利用して非常に助かりました。
<弐> 給与賞与は不安定。交渉次第?
私の上海での初任給と2007年当時で3,000人民元(税引前)でした。日本円で約45,000円でした。初年度は会社は寛大でAMは大学で中国語の勉強でしたので、PMのみの出勤でしたので十分とは言えないまでもアルバイトと考えればいい金額だったと思います。

3,000元/月ってどのくらい?

07年ぐらいだったら一般大卒の初任給が3,000元/月くらいだよ。ちなみに今の初任給は、7,000元/月〜10,000元/月もあるよ。

定期昇給とか賞与はあるの?

定期昇給はないよ。総経理の一言で上がりもするし下がりもするよ。賞与は春節前に一回あるけど、どローカル企業で総経理の判断で毎年大幅に変わるね。ご寵愛なら月収10倍とかもあるし、悪いイメージ持たれてると1ヶ月分もないとかも聞いたことがあるね。

金額感はわかってきたけど、相場感を教えて?

当時タクシー初乗り11元。コカコーラ500mlが3〜4元。大衆食堂の丼飯で12〜20元。住宅では上海市内の家具付き1LDK高層マンションを借りると2,000〜3,000元/月。(今なら8,000元/月〜) 、ちなみに上海大学の外国留学生向けシャワートイレあり個室寮は700元/月だったよ。

なるほどね。3,000元/月は学生で贅沢しなければやっていける感じなんだね。

そうだね。当時物価感覚が分からなくて寮の同学5人に赤坂亭っていう日本食食べ放題を大盤振る舞いしたら、その月は経済崩壊してしまったよ。

話は戻るけど、給料はどうやったら上がるの?

これは唯一の方法、実績を出して総経理さんと直接交渉。生活のため遠慮しちゃダメ。机を叩いて談判だ!
給与交渉は戦いです!!!
<参> 舎弟ならねば待遇はなし
どローカルの小企業の多くはワンマン独裁です。中国でも労働法はありますが、日本のような権利は実質上ありません。総経理=法、すなわち絶対王政で論功行賞もそれまた昔そのものです。先に昇給の方法を書かせて頂きましたが、実は総経理との夕食会食やその後のカラオケや休日の総経理宅のお招き会食などの場でチャンスがあることが多いのです。
上海虹口区のとあるラドンセンター。。。


FUJIHO君、今週土曜は空いているかね?熱帯雨林(上海ラドンセンター)でもどうじゃ?

お誘いありがとうございます。行きます!行かせてください!
・・・当日。入浴→食事を終えて。。。

これFUJIHO君、今の生活はどうかね?お金は足りているかね?

実は相談がありまして、、、昇給をお願いしたいのです。

さようか。いくら欲しい?

10,000元/月税抜き後、家賃全額手当をお願いできませんでしょうか?

う〜む、給与はフルタイム7,000元/月税込み、家賃は2,000元/月までこれでどうだ。10,000元/月はもっと実績を上げたら考えよう。(その場で財務部長へ電話して昇給を指示)

はは〜。ありがとうございます!がんばります!
・・・モデルケースはこうである。
目指すは、報われる舎弟ではない?!
だが、短期間で方法はこれが一番近道。。。
昇給を続けるたびに「お誘い」頻度も時間も長くなり、関係も密になる。家族ぐるみでの舎弟化が求められることとなる。自分だけならいいのだが、周囲の人間まで舎弟化に巻き込むことは私にはできませんでした。
まとめ 語学と現地の文化習慣を勉強するためならおすすめ。
中国(上海)のどローカル企業で働くことは、福利厚生と収入の不安定、精神的な不自由を伴う可能性があるため、長期間行うことはおススメできない。
ただし、語学学習の傍らのアルバイトや就業体験として1年〜長くとも3年以内にステップとして行うのは大賛成である。
得るものはとても多いはずである。
今回は以上になります。
最後までお読み頂いまして、ありがとうございました!